書評
自らが葬儀の手配にかかわる機会は、普通の人であれば滅多にないことだと思う。私自身は、本サイトのコラムにも書いたが、今年立て続けに2回も経験することになったが、知らないことが多く、葬儀屋さんに非常にお世話になった。
著者によると、私のように無知なものが、限られた時間の中で、恥をかかないように葬儀を準備し、執り行わなければならないという、ある意味プレッシャーのかかる状況において、その弱みにつけこみ、必要以上の費用をかけさせるような悪い業者にあたることもあるそうだ。
本書では、そういうブラックな業者の具体的な手口を色々と説明すると共に、多様化する最近のお葬式事情や葬儀に関する相場などを解説し、さらに長年葬儀業界にたずさわってきた著者ならではの助言を含んだ内容になっている。
葬儀業界は、専門葬儀社、互助会系、JA系、その他の4つに分かれており、互助会系以外の葬儀社の方が数では圧倒的に多いのだが、売上げシェアは、専門葬儀社と互助会系がそれぞれ40パーセントで、それ以外が20パーセントとなっているそうである。私が今年かかわった2回の葬儀は、どちらも互助会系の葬儀社であったが、2回経験した立場で本書を読むと、なるほどと思える点が多々あった。滅多にかかわることがないからこそ、ブラックな業者に騙されないように、準備として本書を読んでおくのも良いのではないだろうか。備えあれば憂いなし、ということで。
(by おやじ1号)